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粉川 広行; 石倉 修一*; 佐藤 博; 原田 正英; 高玉 俊一*; 二川 正敏; 羽賀 勝洋; 日野 竜太郎; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; et al.
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.178 - 183, 2005/08
被引用回数:8 パーセンタイル:49.02(Materials Science, Multidisciplinary)JSNSのために開発を進めているクロスフロー型(CFT)水銀ターゲットでは、ビーム窓近傍での水銀の停滞領域発生を抑制するために、水銀を陽子ビームに直交するようにフローガイドブレードに沿って流す。これまで、水銀のモデルに弾性モデルを用いて動的応力解析を行ってきた。しかしながら、実際に陽子ビームを用いた最近の実験結果から、水銀のモデルにカットオフ圧力モデルを用いた方が実験結果に近い動的応力が得られることが示された。そこで、カットオフ圧力モデルを用いて動的応力解析を行った結果、半円筒型ビーム窓に発生する動的応力が、平板型ビーム窓に発生する応力よりも低くなることを明らかにした。また、陽子ビームを広げてピーク発熱密度を218W/ccまで低減して、ビーム窓の発生応力を許容応力以下にした。一方、陽子ビーム窓を広げたため、フローガイドブレード先端の発熱密度が高くなり、許容応力を超える熱応力が発生したが、ブレードの先端の形状を、水銀の流動分布に影響を及ぼさない範囲で薄くすることによって、発生する熱応力を許容応力以下にした。
野村 拓司
Journal of the Physical Society of Japan, 74(6), p.1818 - 1829, 2005/06
被引用回数:26 パーセンタイル:73.56(Physics, Multidisciplinary)SrRuOの波超伝導状態における輸送的性質の定量的な解析を行った。具体的には、平均場近似の範囲で、超音波減衰係数と熱伝導度を計算した。現実的な多バンドの電子構造を持つ模型に対して微視的な計算に基づき超伝導ギャップを求め、輸送量を計算し実験と比較した。結果として、実験結果を定量的に再現することに成功した。
石倉 修一*; 志賀 章朗*; 二川 正敏; 粉川 広行; 佐藤 博; 羽賀 勝洋; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2005-026, 65 Pages, 2005/03
本報は、大強度陽子加速器計画(J-PARC: Japan Proton Accelerator Complex)の中核施設である物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源となる水銀ターゲット容器(3重壁構造)の構造健全性評価を行うための基本データとするために、水銀容器及び保護容器(別名セーフティーハルで2重壁リブ構造)で想定される荷重条件下(水銀容器及び保護容器の内外圧と定常熱応力,水銀容器内の25Hzの熱衝撃に伴う圧力波による応力)で発生する応力値をもとに、実験から求められた照射と壊食による材料強度劣化(疲労寿命の低下)を考慮して、確率論的手法により破損確率の算定を行った。水銀容器と保護容器の破損確率を評価した結果、(1)水銀容器は圧力波による応力サイクルと壊食による疲労強度の低下が大きいために、5000hrを仮定した寿命中の破損確率は12%である。(2)保護容器は圧力波が作用しないために寿命中の破損確率は10と十分低く、破損する可能性はほとんどない。したがって、万が一水銀容器が破損して水銀が漏洩した場合でも、保護容器が漏洩水銀を収納するとともに、同時に水銀漏洩検知器が機能することにより、漏洩水銀は保護容器内部に閉じ込めることが十分可能であることを定量的に示した。
石倉 修一*; 粉川 広行; 二川 正敏; 菊地 賢司; 羽賀 勝洋; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2003-093, 55 Pages, 2004/01
中性子散乱施設用液体金属(水銀)ターゲットの開発における工学的課題を明らかにするために、3GeV/1MWのパルス状陽子ビームがクロスフロー型液体金属ターゲットに入射するときの定常熱応力と動的熱衝撃解析を行った。解析モデルは、実機構造を模擬した半円筒ウィンドウ型と平板ウィンドウ型の2種類の構造を対象とし、NMTC/JAMによる核破砕発熱計算結果をもとに、衝撃解析コードLS-DYNAを用いて解析した。その結果、動的熱衝撃により発生する応力は、最も厳しい環境にあるウィンドウ中心部で半円筒型よりも平板型の方が構造設計上有利であり、応力分類として2次応力的な性質を持つことがわかった。また、ターゲット主要部に発生する応力は曲げ応力,疲労強度ともにJISの基準を満足していることがわかった。ウィンドウ内面で水銀が負圧になりキャビテーションが発生し、ターゲット容器に損傷を与えることが実験により確認されたため、生成するピットとピット先端のき裂を対象に破壊力学的観点から評価した結果、ウィンドウ先端部では定常熱応力により圧縮応力場にあり、き裂は進展しないことがわかった。また、水銀ターゲットを設計するにあたり、今後必要となるキャビテーションの評価手法について整理した。
杉山 僚; 福山 裕康; 勝間田 正基*; 岡田 幸勝*
Integrated Optical Devices: Fabrication and Testing (Proceedings of SPIE Vol.4944), p.361 - 368, 2003/00
高ピーク出力レーザーに用いられているNd:YVO結晶に母結晶のYVOを接合して、熱除去特性の優れた集積型レーザー結晶の作成を行なった。われわれの接合法は、光学研磨後の結晶表面をドライエッチング処理した後に、結晶の融点以下の熱処理によって、接合界面の水素結合を酸素を架橋とした直接接合に転嫁させる方法である。光学研磨の表面粗さは、633nmにおいて0.2波長であった。アルゴンイオンビームによる約30nmのエッチング後、サンプルを清浄雰囲気下でコンタクトし、真空加熱炉内で50時間の熱処理を行なった。接合部の評価については、界面で生じる散乱光の測定を行なった後に出力20Wの半導体レーザー励起によるレーザー発振試験を行なった。この実験の結果、接合界面の散乱光強度は結晶内部の欠陥部から生じる散乱光強度よりも小さいことがわかった。さらに、熱伝達特性が改善された集積化型の接合結晶は、通常の結晶で引き起こされるような熱破壊を生じることなく、レーザー出力を約2倍増加できることが明らかとなった。
石倉 修一*; 粉川 広行; 二川 正敏; 日野 竜太郎; 伊達 秀文*
高温学会誌, 28(6), p.329 - 335, 2002/11
中性子散乱施設用液体金属(水銀)ターゲットの開発における工学的課題を明らかにするために、3GeV/1MWのパルス状陽子ビームがクロスフロー型液体金属ターゲットに入射するときの動的熱衝撃解析を行った。解析モデルは、実機構造を模擬した半円筒ウィンドウ型と平板ウィンドウ型の2種類の構造を対象とし、NMTC/JAMによる核破砕発熱計算結果を基に、衝撃解析コードLS-DYNAを用いて解析した。その結果、動的熱衝撃により発生する応力は、最も厳しい環境にあるウィンドウ中心部で、半円筒型よりも平板型の方が構造設計上有利であり、応力分類として2次応力的な性質を持つことがわかった。また、ターゲット主要部に発生する応力は曲げ応力,疲労強度ともにJISの基準を満足していることがわかった。
粉川 広行; 二川 正敏; 石倉 修一*; 菊地 賢司; 日野 竜太郎; 衛藤 基邦
International Journal of Impact Engineering, 25(1), p.17 - 28, 2001/01
被引用回数:3 パーセンタイル:23.89(Engineering, Mechanical)原研で開発を進めている中性子散乱施設用ターゲットは、パルス幅1sの大強度陽子ビームによるパルス熱衝撃を受ける。そこで、パルス幅50ns、最大出力1Jのルビーレーザーを用いて熱衝撃試験を行った。また、並行して、有限要素法による数値解析を行った。これらの結果から、熱衝撃による応力(ひずみ)波の伝ぱ挙動として、加熱領域の境界から圧縮の応力波が円板の外側へ伝ぱし、その一方で、慣性力として加熱領域の境界から円板の中央に向かって引張の応力波が伝ぱ・集中して、円板中央で大きな引張応力が発生することが明らかとなった。また、解析結果は、実験結果とひずみ時刻歴及び変位時刻の両方について良く一致しており、本解析手法が動的熱衝撃挙動を良く予測できることを確認した。
菊地 賢司; 二川 正敏; 石倉 修一*; 粉川 広行
日本機械学会材料力学部門講演会(M&M '99)講演論文集, p.467 - 468, 1999/10
米国BNLの陽子シンクロトロン加速器で実施した第2回目の熱衝撃実験結果とその解析結果について報告してある。24GeVの陽子パルスを水銀ターゲットに入射し、発生した熱衝撃による容器の変形速度と圧力応答を測定することに成功した。変形速度応答により、第1回目の実験結果の再現性を確認できた。今回新たに設置した圧力計をうまく作動し、弾性たわみ測定方式の圧力プローブもうまく作動した。有限要素法を用いた計算の結果、水銀のカットオフ圧力を設定すると、ターゲットの動力学をうまくシミュレーションできることがわかった。
江里 幸一郎*; 功刀 資彰
Microscale Thermophys. Eng., 1(2), p.137 - 142, 1997/00
異なる粒子(モノマー(3keV)、クラスター(32原子,100eV/atom))照射時の標的材料原子層の動的挙動を分子動力学法を用いて解析した。モノマー照射では標的原子層内に入射粒子が進入し、内部に高温域が形成された。2体相関関数の変化より入射粒子近傍の原子層は溶融し液体に近い構造になっているものと考えられる。また、クラスター照射では標的内原子表面にクレーターが形成され、その際、生じた高温高圧領域が原子層内部に伝播していく様子が観察された。その伝播速度は材料の内部の音速に近いことを示した。
八木 理公; 阿部 豊*; 安達 公道*; 小林 朋能*; 山野 憲洋; 杉本 純
JAERI-Research 96-032, 152 Pages, 1996/06
熱的デトネーションモデルに基づく蒸気爆発進展過程の予備的シミュレーションを行った結果、膜沸騰を崩壊させるために必要となる蒸気爆発素過程の移行条件としての圧力条件が蒸気爆発発生の有無に極めて重大な影響を及ぼすことを明らかにした。そこで、高温の炭素鋼球またはステンレス鋼球表面上に膜沸騰を形成させ、圧力波による強制的な膜沸騰の崩壊挙動を観察し、膜沸騰崩壊条件に関する基礎的な実験を実施した。特にステンレス鋼球の実験の場合、鋼球表面温度は圧力波の通過により急激に降下し、圧力波が通過した直後の鋼球の表面温度変化から、膜沸騰の崩壊挙動が膜沸騰の非崩壊、崩壊、崩壊後再発生の3パターンに分類できることを確認した。また、本実験条件の範囲においては膜沸騰の崩壊させるのに必要となる圧力が鋼球の初期温度に強く依存することを確認した。
内海 隆行*; 功刀 資彰
Therm. Sci. Eng., 4(3), p.1 - 7, 1996/00
近年のレーザーを応用した材料加工の制御あるいはレーザー冷却などの光技術の進歩により、光と物質の相互作用に関する極短時間(fs,ns,ps)における非定常現象の解析・解明が重要となってきている。最近、日本原子力研究所はX線レーザーを含む極短パルス超高出力レーザーの開発を開始し、レーザービームを導光するミラー等の光学素子開発や将来に光量子源を材料表面改質や物質創製へ応用する際の光量子-物質相互作用の解析・解明の研究を進めている。この光と物質の相互作用の主要な課題として、レーザーによるインパルス加熱時のアブレーション現象がある。この場合、レーザー加熱による固体から液体、さらに気体への相変化を含む広範囲な温度・密度・圧力での熱流体現象を理解する必要があるが、このような広範囲に渡る時空間スケール及び数桁以上の密度・圧力変化を伴う熱流動現象を解明するためには、各時空間スケールに応じた複数の方程式系を新概念の計算科学的手法を用いて解析可能とする必要がある。このような研究背景のもと、本研究では特にインパルス加熱時の熱伝搬現象の解明を目的とした数値解析を試みている。